アナリスト部門の歴史・実際の活動

皆さんこんにちは.アナリスト部門の紹介第2弾です.今回は,H30年度卒の現在アナリスト担当藤田がお届けします.アナリストの必要性や概要については先日田原より説明がありましたので,私からは京大アナリスト部門の成り立ちや,実際の試合やリーグ戦期間中の活動実績について説明させて頂きます.

 

当部におけるアナリスト部門の発足はおよそ4年前の2015年に遡ります.アナリスト部門が発足する以前より,手書きのメモ用紙を用いた事前の集計による対戦相手の大まかな情報収集は行われておりました. しかしながら,それでだけは対策通りには戦術がうまくハマらないのです.その理由は単純でした.こちらが相手の情報を収集してその弱点や傾向に合わせて戦術を変えるように,相手もまた,こちらの特徴を調査し対策を練ってくるのです.そこで私は,当部でなぜか所有していた「データバレー」を使用することを決意しました.その後,思うように操作できないソフトと悪戦苦闘しつつも何とかデータバレーを実用化までこぎつけ,プレイング・アナリストとして活動を開始したのが当部のアナリスト部門の活動の原点です.現在はプレーヤーを引退し,アナリスト専門として活動しています.

具体的な活動内容としては,リーグ戦前の対戦相手の情報収集から,練習試合における自チームの傾向分析等多岐にわたります.基本的にこれらデータ集積は「データバレー」と呼ばれるソフトウェアを用いて行います.データバレー上では,バレーボールにおけるすべてのプレーをある文法に従った「コード」に変換しながら入力することで,リアルタイムに試合の統計を得ることができます.データバレーでは,複数の試合にわたって,各プレーヤーのプレーごとの詳細な統計分析を行うことができ,映像とコードを同期させて任意のプレーフェーズの瞬間映像を検索・再生することができます.すると,これまで曖昧な理解にとどまっていた各プレーヤーの癖や特徴を反復視聴することができ,より具体的かつ直感的にそれらを理解することができます.また,リーグ戦等の公式戦当日には,当該の試合のリアルタイム統計をとりつつ,その情報をベンチまたは監督の持つタブレット端末に送信しています.さらに,コートエンドに設置したカメラの映像を用いて各ラリーのリプレイ映像を参照し,直前のプレーにおいてボールが関係しなかったプレーヤーの動きにまで目を光らせ,相手の穴や自チームがとるべき対策について模索しています.そうして得た情報は,トランシーバーを用いてベンチや監督に伝達され,時々刻々と変化する試合状況に合わせた戦略決定を行っています.試合中の選手や監督・ベンチメンバーたちはいい意味でも悪い意味でも目の前の試合に集中し,熱中しています.そんな中で,ベンチとは離れたコートエンド側から冷静にコートを眺め,数字で裏打ちされた的確なアドバイスを送ることができるアナリストの存在は,チームにとって大きなアドバンテージとなっていることは間違いありません.

試合以外での活動についてもアナリストとしてチームに貢献できる可能性は無限大です.例えば,苦手なプレーがある選手の動きやプレーを映像に収め,適切に編集し提示することで本人の技術の改善を促したり,チーム全体の強みや弱みを統計的に分析することにより,より効率的な練習メニューの提示を行うことができたりするかもしれません.また,毎年12月に東京都のナショナルトレーニングセンターにおいて開催される「アナリストセミナー」に参加し(昨年度・一昨年度は参加),世界のトップカテゴリーで活躍されるアナリストの方々の講演を聞いたり,そういった方々と交流行ったりすることで,最新のバレーボール戦略のトレンドを吸収し,チームに還元することができます.また,余談ではありますが,東京大学では一足前にアナリスト部門が設置されており,その人たちとの交流や切磋琢磨ができるというのも魅力の一つです.

京都大学バレーボール部では「学生主体の考えるバレー」をテーマに掲げ,日々練習に取り組んでいます.そんな京大バレーボール部の「考えるバレー」を根底から支え,アナリストとして共に戦っていける同志を大大募集しております.

 

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